通信制高校とは?全日制や定時制に比べて将来が不安じゃないの?

通信制とは

通信制高校とは、どんな高校なのでしょうか。

昔と違って通信制高校も増え、ネットを駆使したN高等学校など特色ある学校が台頭してきたものの、

「通信制というのは全日制や定時制に比べて将来が不安だ」
「通信制高校だと世間に通用しないのではないか」

など気になる人も多いでしょう。

そこで今回は、通信制とはどんな感じの高校なのか、どんな人が通うのか等、全日制や定時制と比較しながら仕組みを中心にご説明します。

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通信制とは

高校には、全日制、定時制、通信制の3種類があります。

そして、この3種類は卒業時に「高校卒業資格」を得られるという点では共通しています。ですが、それ以外については様々な点での違いがあります。特に重要なのが、通信制の場合は「毎日登校しなくていい」のが全日制や定時制との大きな違いで、そのため自分の日々の生活がかなり自由になります。

でも、学校なのに「登校しなくて良い」となったら、どうやって高校生活を過ごすのでしょうか。

実は、通信制高校では「自学自習」が基本なのです。
もちろん、100%自学自習だと学習を進めるのが難しくて挫折する生徒ばかりになるため、学校によって様々な工夫や制度が整っています。この辺は後でお話ししますね。

この「自学自習」については、学校側の課題もあります。学校の目の届かない場所で生徒が自学自習しても、それだけだと3年後に高校卒業資格を与えて良いのか判断できませんよね。そこで、通信制高校ではレポート課題をこなしたり、テストを受けて単位を取得していくことが定められています。高校卒業するためには3年以上在籍して74単位取得する必要があるのです。

以上、通信制高校について簡単にご説明してきました。
では次に、通信制高校はどこが全日制や定時制と違うのか、項目別に比較してみましょう。

全日制や定時制との違い

登校頻度

  • 全日制・・・平日の日中(朝から午後まで)通学します(1日5~8時間)。
  • 定時制・・・昔は平日夜間に通学する形態が一般的でしたが、現在は「三部制」という名称で午前中、午後、夜間の3部から選んで通学する等の学校もあります(1日4時間)。
  • 通信制・・・日々の通学は不要で、自宅学習が基本です。通学は「必要に応じて」という形態が多く、週や月に数回や、年に1回だけのスクーリング等様々な形態があります。また、1日の時間数も様々です。(例外的に、毎日通学するタイプの学校もあります。)

授業の進め方

  • 全日制・定時制・・・集団授業が中心。
  • 通信制・・・教科書や教材が配布され、それに沿って自分で学習していくのが基本。(インターネットによる映像授業や学校での授業が行われる学校もあります。)

進級や卒業要件

  • 全日制・定時制・・・出席日数が足りない場合やテストで赤点の場合は単位が取得できずに留年となります。(進級や卒業ができません。)
  • 通信制・・・レポート提出、スクーリング参加、テスト受験の3つの流れで単位取得できます。ただし、テストで赤点の場合は単位取得できません。とはいえ、進級という概念がないので、単位を落としても留年にはなりません。単位を落としたら困る場面は卒業時になります。卒業するには3年間で74単位取る必要があるのですが、単位を落として卒業要件に満たない場合は卒業できなくなります。

在籍期間

  • 全日制・・・3年以上の在籍が必要。
  • 定時制・・・3年以上の在籍が必要。通常は4年間で卒業になりますが、頑張って必要な単位を取得すれば3年間で卒業できます。
  • 通信制・・・3年以上の在籍が必要。(公立の一部の高校では4年間在籍のケースもあります。)通信制の場合は「学年」の概念がないものの、3年間は在籍しなければならないため、どんなに早く単位を全て取得したとしても、3年未満での卒業は不可能です。

通信制高校はどんな人が通うの?

通信制高校は全日制や定時制と違って「自分の好きな時間に、好きな場所で勉強できる」ことが最大の特徴であり(毎日通学するタイプの学校は除きます)、この部分に魅力を感じた様々な人が入学しています。
実際に通信制高校を選ぶ人のタイプを大きく分類すると、以下の3つがあります。

  • 既に将来の目標が決まっている人(夢の実現と高校生活を両立させたい人)
  • 毎日学校に通うのが難しい人(病気や集団活動が苦手等の事情がある人)
  • 過去に高校中退して、その後再度高校卒業資格を得たいと考えた人

ですので、通信制高校は通常の15歳から18歳でなく、サラリーマンや主婦、年配の方々まで幅広い年齢層がいます(学校によって異なります)。また、早くからスポーツや芸能活動、ゲームクリエーター等の目標を持って着実に進んでいる人もいれば、いじめに遭い不登校を経て通信制高校で基礎からやり直して自己構築していく人など、様々なタイプがいます。

また、実際に通信制高校では、このようなタイプの人を全て受け入れる体制を整えているところが多いです。

通信制高校はどんな感じで過ごす所なの?

ここまでの話で全日制や定時制との違いをイメージできてきたかと思いますが、ここで通信制高校での過ごし方について簡単にまとめます。

授業

通信制高校の授業の柱は、既にお話ししておりますが、「レポート」「スクーリング」「テスト」の3つです。

  • レポート・・・単位別の課題に取り組み、レポートとしてまとめたものを提出し、添削指導してもらいます。テストとは異なり、配布された教科書等を参考にして作成することができます。(この難易度は学校の方針によって異なります。)
  • スクーリング・・・登校して、先生と面談して自宅学習で分からない点を教えてもらったり、実技演習や実験等の授業、体験学習を行ったりします。(この内容や時間についても学校の方針によって異なります。)
  • テスト・・・単位認定試験になります。ただ、出題範囲は既に提出済みのレポートの中からと決まっているため、レポートやスクーリングで学んだことををしっかり理解しておけば問題ないでしょう。

授業の難易度

通信制高校の授業は基礎的な内容が多く、テストでは与えられた教科書や教材の範囲外からは出題されません。そのため、真面目に勉強していれば単位を取得できます。ただし、大学進学を考える場合はもっと範囲を広げて大学進学へ向けた難易度の高い勉強をする必要があります。

学習する場所

自宅学習が基本なのですが、どこでも勉強可能です。その他、学校に自習室があればそこで勉強する人もいますし、サポート校等の学習センターや図書館などで勉強する人もいます。
(インターネットによる授業を行う学校もありますが、ヘッドホン等を使えば自宅外での学習も可能です。)

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通信制高校とサポート校の違いは?

通信制高校の他に、類似の教育施設としてサポート校、技術連携校、高卒認定予備校があります。

この中で高卒認定予備校は、高卒認定資格※を得るための予備校であり、通信制高校に通う場合は卒業時に高校卒業資格を得るため、ここに通う必要はありません。中学卒業したけど高校に通う予定がない人、高校中退のまま大学に進学したい人などが資格取得目的で利用する施設です。

一方、サポート校や技術連携校は、通信制高校と並行して通う教育施設です。
もちろん、通信制高校だけ通うという人もたくさんいますが、それだけだと通信制高校の勉強を進めるのが難しい場合にはサポート校を利用して手厚い指導をしてもらう方が良いです。ただ、学校によってはサポート校無しでも十分な指導をしてくれる学校もあります。また、通信制高校よりもサポート校での指導に惹かれて入学を決める人もいます。

技術連携校については、これも通信制高校によって様々ですが、自分の将来やりたいことが見えている場合には、通信制高校と合わせて技能連携校に入学して3年間両方で学ぶのが夢実現への近道になる可能性があります。というのも、技能連携校での学びは専門性が高いし、通信制高校での単位取得にカウントできるので無駄がないからです。

とはいえ、サポート校や技能連携校含めて通信制高校は学校によって特徴がかなり異なるし、特化している分野も違います。そして、通信制高校と両方に対しての学費が発生するので出費がかさみます。
ですので、現時点でやりたいことが決まっているのか、通信制高校に何を求めるのかを考えてみてくださいね。

※高卒認定資格とは?
高卒認定資格は、昔の大検(大学入学資格検定)が元の試験であり、2005年度に切り替わったものです。
内容は大検と殆ど同じですが、1点大きく異なるのが「高校卒業と同等以上の学力がある」と認められた資格であることです。

通信制高校の学費は?

通信制高校の学費は全日制高校に比べると安い傾向があります。
とはいえ、通信制高校には様々な形態があるので、かなり高額な費用がかかる学校もあります。

実際には、以下の要素によって金額が変わってきます。

  • 公立vs私立・・・私立の方が高額になります。
  • 自宅学習vs通学・・・通学日数が多いほど高額になります。
  • 就学支援金・・・就学支援金は世帯収入により異なりますが、支給される場合には費用が安くなります(収入に応じて減額があります)。
  • 初年度・・・初年度のみ入学金が発生します(学校によっては入学金が不要だったり、条件付きで入学金不要の学校もあります)。

ここまでお話しして、通信制高校がどんな学校なのかを少しイメージできてきたのではないでしょうか。
では次に、今までのまとめとして、通信制高校に入学したらどんなところが良いと感じるのか、逆にどんな欠点があるのかをまとめましたのでご覧ください。

通信制高校のメリットとデメリット

通信制高校のメリット

  • 自分のペースで通学・学習できる(どこでも学習できる)
  • 自由な時間が多く確保できるので、趣味やアルバイト等の両立が可能
  • 卒業資格は全日制高校と同じ(普通高校扱い。大学進学も可能)
  • 様々な問題を抱えている人でも受け入れ可能な学校が多い
  • 費用が安い学校が多い(通学日数が少ない場合)
  • 留年がない(単位制)
  • 前の高校での単位が使える(転入や編入の場合)

通信制高校のデメリット

  • 卒業するには自己管理能力が必要(計画的に学習を進める必要がある。気を抜くとだらけてしまう。)
  • 登校が少ないので友達を作る機会が少ない
  • 学習内容がやさしすぎて大学受験に不安がある

デメリットはどうすれば良いの?

通信制高校におけるデメリットについては、学校によって丁寧に対応してくれるところもあるので、自分がその部分について心配な場合には、サポートしてもらえる通信制高校や、サポート校を選べば大丈夫です。

ちなみに、通学の多いコースの方が学習ペースをチェックしてもらいやすい傾向があります。また、学校行事や部活動が盛んな通信制高校だと生徒同士の交流があります。

通信制高校のまとめ

通信制高校は全日制や定時制と同じように、卒業すれば普通高校卒業資格を得ることができます。

通信制高校の場合は自学自習が基本で自己管理が必要な点については大変ですが、その反面、自由な時間が確保しやすいため、非常に人気が高くなっています。

ただ、通信制高校は学校によって授業形態や生徒数、通学形態、学費などがかなり違うので、自分の状況や今後どうしたいか等をよく考え、それを叶えられる学校を選ぶことが重要ですよ。

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この記事を書いた人
ぼっち星人の母

現在高校2年生の娘の母で、アラフィフ。
娘は一見普通の女の子ですが、話そうとすると様々な症状があって日々の生活が大変で、

小学2年生の後半から不登校になり、勉強する気力なくなり学力が小学校2年生で止まっていました。

その後、中学校入学目前になり、とあることがきっかけでやる気が出て、中学校の特別支援学級に通うようになりました。今は、高校生活に淡い夢を抱き始めた段階で、「通信制高校なら通えるのではないか」と考え、あちこちの学校をリサーチし、その後無事通信制高校に入学しました。

ちなみに、娘の症状は以下のようなことがあります。

引っ込み思案、虚弱体質、感覚過敏(嗅覚過敏・聴覚過敏・触覚過敏)がある、集団生活に馴染めない、こだわり星人、
自閉症スペクトラム(幼少時には高機能自閉症と診断されたものの、様々な特性がありWISCでは全くやる気無しなので現在は知的障害レベルの数値しか出ない)、母子分離障害、強迫神経症。

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